物件に潜むリスクを放置すると

“売りたいときに売れない”、“売りたい価格で売れない”という状況を招きます。

従いまして、物件調査とは物件のリスクを調査し、管理することを意味します。

 

事業性の見込みに関する調査方法

通常はネット利回り(粗利回り)を計算します。

ネット利回り(%)=単純投資利回り(%)-借入金の負担率(%) (1)

ここで、単純投資利回り(%)=
(月額家賃×戸数×入居率×12ヶ月×(1-経常経費率)-固定資産税)/(建築費×(1+事業経費率))

・入居率=95%を通常想定します。
・戸数についてはボリュームチェックをします。

具体的には、戸数=土地(m2)×容積率(%)/戸数当たりm2
・経常経費率=10%を想定します。これは管理費やメンテナンス費用、共用部の電気水道代を含みます。
・固定資産税は土地建物の固定資産税や都市計画税を含みます。固定資産税の基準日は1月1日で3年毎に定められています。管轄は市町村となります。
・事業経費率=約8~10%を想定します。これは、消費税、不動産取得税、登録免許税、期中金利、司法書士報酬、雑費を含みます。
・単純投資利回り(%)は8から9%を確保することが一応の目安となります。

 

また、借入金の負担率(%)は上限6%をおおよその基準とします。
上記の計算からネット利回りを計算しておおよそ次のように投資効果の判定をします。

特優(AA)5%
優(A)4~5%
並(B)3~4%
可(C)2~3%
不可(D)0~2%

ただし、間取りのタイプや建物の構造によってそれぞれの収益性は異なりますので、おおよその目安としてください。また、年間収入を総事業費でわった、表面利回りはアパマンではあまり意味をなさないので注意が必要です。

 

欠陥・瑕疵(かし)に関する調査

2-1 環境リスク調査
(a)アスベスト
石綿障害予防規則(8,9,10条)に規定されています。現地ではアスベストの使用をチェックします。アスベストがある場合、契約書で処理費用の負担や賠償責任の範囲を明示する必要があります。疑わしいときは材料分析検査をします。1検体2万円程度になります。含有が認められたときは、定量分析など精密な検査をします。この検査料は6万円程度となります。

(b)PCB(ポリ塩化ビフェニル)
法規としては、2001年にポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法があります。高圧電気設備に含まれており、受電設備がある建物の場合は要注意です。PCB廃棄物については原則譲渡できませんので、ある場合は管理・保管・処理に要する費用負担を明確にしなくてはいけません。

(c)土壌汚染
土壌汚染対策法(2003.2)に規定されています。揮発性有機物化合物(トリクロロエチレン等)や重金属(六価クロム等)など有毒物質がないか調査します。土壌汚染対策法に基づく指定地域台帳が地方自治体にあるので気になる方はチェックしておいた方が無難でしょう。後に判明することもありますので、契約書に担保責任を明記しておいた方が良いでしょう。

2-2 違法建築物
違法建築物や既存不適格建築物ではないかを調べます。違法建築物の場合は是正すべきと考えます。既存不適格建築物は当初適法であったが、法改正などで不適正となった建物です。建築当初の建築確認通知書や竣工検査証の確認をすることであらかた判明します。
建物の事故で第三者に損害を与えた場合、所有者に過失なくても損害賠償責任義務が生じる(無過失責任が生じる)ことを肝に銘じることが必要です。

 

関係者の権利義務や信用に関するリスク調査


まず土地の面積と境界確認をしましょう。
確認するには土地所在図や地積測量図でチェックします

有資格者が登記官の代わりに現地で測量し法務局に申請したものなので詳細な情報が得られます
また土地が宅地でない場合、建物は原則建築できませんので、地目も調べておきましょう
それには登記事項証明書を見ます


いずれの書類も地方法務局(登記所)で購入できます


他人の土地・建物の情報は見ることができないのではと思われるかもしれませんが、
不動産登記法では何人でも登記記録を閲覧できるように法律で規定されています。
ただ、書類には購入代金が必要となり、収入印紙で購入します

 

また付け加えておきますが、登記には公信力がありません
公信力がないとは、登記内容と事実が異なっている場合がありますよということです
物件調査の基本は現地調査が第一です。ご自身の目で確認する習慣を身につけましょう


 

以上は物理的な登記事項ですが、権利関係も見てみましょう

権利書の甲区は所有権に関する事項についての記載が、乙区にはその他の権利について記載されています
まず調査物件の権利が侵害されていないかをみます

抵当権などの担保権や地役権などの用益権といった第三者の権利が乙区記載されていないか確認します
価格が周辺地域と比較して極端に安価である場合などは特に注意して調べてみましょう

登記簿に記載がなくとも不法占拠者や占有者などがいる場合がありますので現地確認をすべきです
できれば、朝夜時間帯を変えて観察するもの効果的です

その地域の地誌などは図書館などで閲覧できますのでその地域の風土が確認できます
また町内会などに積極的に参加することでその地域の土着の人たちから興味深い情報を得られるかもしれません

 

買って後悔しても遅いのです
あらゆる手段を講じてババを抜かないように心がけたいものです

 


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